2008/10 ジンバブエ高額紙幣

以下、2008/10に私が書いた記事を転載。
(その後、2009/1に100兆Z$札が発行された後、2月に12桁のデノミが行われた。)
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現地通貨ジンバブエドル(以下、Z$)について。
高額紙幣ハイパーインフレの結果、高額紙幣がギネスになったことで話題を集め、1000億Z$札がオークションでも目立っています。

帰国後の10月下旬、これを機会にZimの状況を伝えたいと思い、以下の説明文を掲載してYahoo!オークションに出品しました。(ちなみに、貨幣価値はほぼ0円ですが、7,200円で落札されました。)
yahooオークションZim$

【商品説明】

1000億ジンバブエドル(以下Z$)紙幣は、2008年7月21日から流通していますが、8月1日にデノミ(※)が実施されたために、流通量が少ない紙幣となりました。
出品しているのは、以下の計9枚のセットです。

1000億Z$ 1枚
500億Z$  3枚
250億Z$  5枚


※ ゼロの数を減らすため、新1 Z$=旧100億 Z$と新通貨へ切り下げられました。2008年10月現在では2000Z$、1000Z$、500Z$・・・といった大きさの紙幣が主に使用されています。

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【商品状態】
写真にあるとおり、1000億Z$は使用感はありますが、目立った折れ目・汚れはありません。(裏面も同様です)
500億Z$札は1000億Z$札よりもキレイです。
250億Z$札は新品(未使用)同様と言える状態だと思います。

(いずれも元々新品でしたが、未使用のまま、南アフリカ、ナミビア、ザンビアと2ヶ月間を私と供に過ごしたために薄いシワなどが入ってしまいました。そのために中古品としております。但し、250億Z$札は数が多かったためか、札束の中にキレイなものが残っており新品同様とさせて頂きました。)

もちろん、写真の紙幣そのものを納品します。

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【エピソード】
当方、2008年7月から10月中旬までジンバブエ(および周辺国)に滞在しておりました。(1週間前に帰国したばかりです)

「ジンバブエドル」に興味のある方でしたら、この国が最近のニュースによく登場するのをご存知かもしれませんね。その内容は、ハイパーインフレ、不正選挙、経済崩壊、食料不足・・・等と悪いものばかりです。

実際に現地で感じるインフレは想像以上で、8月からの2ヶ月で貨幣価値が1000分の1になるのを体験しました!
8月上旬に5000円ほどで両替した現地通貨(旧5兆Z$)が、(2ヶ月ほど他国へ出ていて)10月上旬に戻ってきたら、なんと約5円の価値になっていました!! 5兆Z$の札束を大事に抱えていた私は浦島太郎状態・・・。(今回出品する紙幣は、このときのものです!)8月(デノミ後)には30Z$(300円相当)で食事ができたのに、10月には30000Z$はかかるのです。(確かに、USドルとの交換レートを基準にすると毎日1割くらいのドル高でした。単純計算すると「1.12倍の60乗は1005倍」なので60日で1000分の1にも納得・・・しかもモノの価値自体も上がっているので食事には30000Z$ではなく40000Z$~50000Z$くらい(400円から500円)にもなっていました!)

という訳で、旧1000億Z$の貨幣価値は、限りなく0円に近いでしょう。(私が帰国時すでに0.05円以下でした。こうしている間にも、どんどん下がっているでしょうね・・・)

10月には、現地の方々は新紙幣を使っていて旧紙幣はほとんど見ませんでした。(そりゃそうです。旧紙幣ではバナナ1本買うのにも分厚い札束になってしまうのですからね。)

インフレもそうですが、現在のジンバブエの経済状況はものすごく悪いです。首都HARAREの大スーパーでさえ、品物が極端に少なく、わずかなスナックや野菜がレジの前にあるだけなんて状態も多いです。庶民の市場でもバナナや野菜の値段も毎日のように2倍・3倍と値上がりします。(そして食物以上に日用品が高いです。薄い本が何千円もしたり、乾電池1本が300円とかでした。)

それでもモノがある大都市は恵まれていて、田舎では、メイズ(トウモロコシ粉。主食サザの原材料)やパンすら入手困難な地域も少なくないようです。(私が訪れた地域には、現地の人はトマトやポテトを料理してやり過ごしていましたが、旅行者であった私は料理ができないのでバナナとビスケットしか食べられない日もありました・・・しかもバナナ1本100円とか日本より平気で高かったです!)
また、多くの都市で夜は停電や断水です。(ジンバブエで4番目に大きな都市MASVINGOすら、夕方以降は毎日停電。断水も多かったです。)

公務員の給料が、実際の貨幣価値より極端に安いため、「警官や先生よりバナナ売りになった方がまし」と言って辞める人も多いそうです。街では、多くの店舗が閉まっていて、路上の物売り(または闇両替商)が目立ちます。

もともとジンバブエは、(現在は新興国として発展してきた)南アフリカと同じくらい、発展していた国です。
独裁政権が続き、欧米との関係悪化・援助停止などにより、経済が極端に悪くなってきたようです。
そんな中でも、ジンバブエでは未だに概して治安は良く、人々は相変わらず温和です。ただただ「次の政権になるのを待っている」そうです。
とはいえ、日々悪化する生活状況には、そろそろ限界と現地の人も口を揃えます。短期間滞在である旅行者(私)には、計り知れない苦しい生活を強いられているのでしょう。

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せっかく「高額紙幣」が話題になっているので、こうしたジンバブエの状況を理解する一助となればと思い、長々と書かせて頂きました。
最後まで読んでくださった方、有難うございます。

なお、私が現地で得た情報をもとに書いていますので、数字などは公式なものではありません。ご了承ください。


【随時更新】 ジンバブエ経済状況


※2008/11以降は、MutareおよびMasvingo在住の親しいジンバブエ人からの情報
※Harare:首都、Bulawayo:第2、Mutare:第3、Masvingo:第4(第5?)の都市


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2010/10/21
  ・最近は落ち着いているが、物価はやや上昇傾向
   例.調理用オイル(2リットル) → 通常価格US$2.65だったのがUS$3.3に値上げ
  ※貧富の差が拡がるにつれ、犯罪が増加傾向にあるそうだ。

私の友人によれば、大学を卒業しても仕事が少ない状況は相変わらず。
外資は中国企業が多いが給与はあまり良くないそうだ。
(彼自身はミニバス(ハイエース)の交通事業を立ち上げ、奮闘中。)
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2010/2/8
  ・雨不足で農作物への被害があるが、今のところ食物の供給は安定。
  ・最近、強盗が増えていて、夜間に出歩くのは危険だそうだ。
  (とくに銃を使った銀行強盗が目立つらしい)
  ・教師の月給     → US$160 ※特に改善なし
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2009/12/17
  ・すでに国内の日常品不足は解消され、価格も安定しているそうだ。
  (相変わらずドル支払いで庶民の金欠は継続中。)
  ・教師の月給     → US$150-200
  ・一皿のSadza(主食) → US$1
  ・米 2kg       → US$2
  ・砂糖 2kg      → US$1.5
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2009/6/23
  ・充電式単三乾電池4本 + 充電器 → US$40
  ・単三乾電池4本 → US$12
 ※私が現地にいた2008年10月のときも同様だった(路上売りで1本、US$3)。
  電気製品は日本と同じくらい高いようである。
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2009/6/10
  ・依然、使用可能な通貨は南アフリカRandまたはUS$だが、食料不足は改善傾向。
  ・一般的な所得 → US$100
  ・一般的な家賃 → US$30~40
  ・一皿のSadza(主食) → US$1~
  ・一般的な野菜       → US$0.5
  ・果物(リンゴ、オレンジなど1個)→ US$1

 ※「一般的な」の詳細は不明。あくまで目安のようである。
 ※極端な低所得に対し、食料・日用品の物価は日本とそれほど変わらない。
  かなり厳しい生活を強いられているようである。
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2009/6/3
  ・教師、全ての(軍事以外の)公務員(civil servants)の月給がUS$100

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2009/5/2 ※現地の友人から初めて上向きの連絡も受けた。
  ・人々はトウモロコシの穂軸を食しているが、
   現在、トウモロコシなどが収穫され、田舎で食料が増えている。
   砂糖など基本的な品は不足しているがおおむね改善している。

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2009/2
  ・デノミ実施 1Z$=100,000,000,000Z$
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2009/1/12
  ・US$1=40,000,000,000Z$

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2008/12/15
  ・US$1=20,000,000Z$
  ・米1kgは40Rand(南ア通貨)≒4US$
  ※多くの物品・食料は商売人が南ア等周辺国から持ち込んで売っている。
   外国通貨でないと買えないとのこと
  ・現在主な流通紙幣は100milion、200milion、500milionZ$札となっている。
  ※ニュースで「12/12から2億札、5億札の発行開始」とあったが事実らしい。
  ・治安については、徐々に悪くなっている印象らしい。
   もともと犯罪の少ない国だが盗みが増えているそうだ。

私の友人家族も食料が買えなくなっているため、送金や食料品を送る支援を申し出た。
上記の米の値段を考えると送料を入れると日本の方が高めなので送金することにした。
とりあえず12/16 US$300を送金。(これで、目を患っている母親の医療費および数ヶ月分の食費に当てるそうだ。何にいくら使った等と几帳面に伝えてきてくれ、節約して大切に使っている様子が伺える。)

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2008/12/4
  ・主食のSadzaの原料となるトウモロコシ粉の値段も高騰。
   10Kg(4人家族で2週間分の量)でUS$15。
  ・飢餓で子供・老人が亡くなるケースが起きている。
  ・(報道通り)コレラが地方で流行っている。
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2008/11/18
  ・US$1=1,500,000Z$
  ・Masvingoにて全商店でZ$が使えず、Rand(南ア通貨)のみ使用可となっている。
  ・MutareではRandおよびUS$が使用可。
  ・パン一斤:800,000Z$
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2008/11/08
  ・US$1=800,000Z$
  ・一日に銀行から下ろせる額:500,000Z$
  ・パン一斤:500,000Z$
  ・警察官の月給:1,500,000Z$
--------------------------------以下は現地での実勢レート
2008/10/14
  ・US$1=16,000Z$ (Bulawayo)
  ・一日に銀行から下ろせる額:40,000Z$
  ・バナナ一本:3,000Z$
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2008/10/10
  ・US$1=9,500Z$ (Harare)
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2008/8
  ・デノミ実施 1Z$=10,000,000,000Z$
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2008/7/28
  ・US$1=100~200,000,000,000Z$ (Harare)