2008/9/6 Himbaダンス

Nicoに「パーティがあるから来て」とジェスチャーで言われて近くの広場(庭?)へ連れて行かれた。そこは50人くらいの村人が集まっていた。若い女性を中心に踊り、年配者は周りで見物しつつ酒を飲んでいた。毎週やっている娯楽だそうだ。



輪の中で順番に一人ずつ踊り、周りのものが手拍子と歌で盛り上げる。踊りの基本は独特のステップで回転するのだが、人によっては個性を出してかなり自由に踊っているようだ。日なたで見ているだけで汗が出るほど暑い中、けっこう激しい踊りだ。後半になると、見物していた連中も踊らされた。ひと踊りすると、木の棒をバトン代わりに次の人に渡す。棒を渡された人は有無を言わさず、輪の中央で踊る。それが踊りの輪の外の人にも渡され出したのだ。会場の隅で椅子に寝そべっていたジーンズにサングラス姿の女性(村で珍しく欧米の生活様式に漬かっているようだ。)やHerero族のRipandaも照れながらも踊らされていた。
そして、案の定、唯一の外国人である私にも棒が回ってきた。かなり早い段階で皆からターゲットにされたようだ。私はここに集まっている殆どの人と面識があったし、違和感なく輪のそばで見物していた。(Otuzemba村に来る外国人は他にいない。観光客はOpuwoから離れたより伝統色が濃く残る観光客向けの村へガイド付きで行くのだ。)
私は半ば予想していたので、見よう見まねながらも堂々と彼らのステップをやって見せた。もちろん下手クソだが会場は大いに盛り上がってくれた。そして「トモ、オムホコ!」(トモは私の名。オムホコは家族、仲間の意)と言ってくれ、Himba族のオバチャンらに握手を求められた。本当に受け入れられたと思えた。大したことをした訳でもないが、ものすごく嬉しかった。



激しく踊るOney。









2008/9/6 Humuanga、67歳


ダンスを踊る女性たちをバックに。ここでも初対面の人から写真撮影を頼まれた。




2008/9/6 Kapanya、45歳


ベルトや枕を作る職人だそうだ。




2008/9/7 Himba家族(10)


Kohobo(Himba女性、34歳。Ukesaの従姉妹)とその家族(Padric、17歳。写真右)。
Otuzemba村に行くのも今日で最後に決めた。Opuwoからの道中、いつものHimba家族の親族だと声をかけられた。




2008/9/7 村の広場にて

いつも通った、村の南西部にある広場へ。明朝にOpuwoを出てナミビアを去ることを皆に話した。このとき、私の名を覚えられなかったNicoは、自分の家のドアに「Tomoaki」と私の名を書いてくれた。嬉しかった。
この日、「写真を撮って」と言ってくる人には「もし撮っても、プリントしてあげられないよ」と説明した。それでも撮ってくれ、という人を何人か撮った。(結局、明日届けてもらい渡した。)
私は伝統スタイルのHimba族であろうと金を渡さずに撮ってきたが、その代わり誰もが私に撮られると写真をもらえると思われていた。私は「撮られる機会の少ない人を撮って、写真をあげたい」というテーマがあったので、老人や女性、裕福でない人を好んで撮った。(用紙もプリンタも持参なので)限られた枚数の中で全員に写真をあげるわけにも行かない。基本的には一人一枚限定だった。逆に単に「ただでもらえるぜ」というノリの若い野郎どもには撮ろうとは思えなかった。「君は親に頼んで町の写真屋で撮りに行ったら良い」と突き放すこともあった。
昨日のパーティ(?)にいた、英語が話せる若者に私が写真を撮る人を選んでいる理由を伝え、「誰が本当に撮って欲しいか、撮るべきなのか、判断は難しい。ときどき私は間違える」ことも伝えた。実際、同じ村で滞在中にその基準がブレて不公平にならないように気を遣っていた。彼は「(自分で写真屋に行ける人も)皆、君の写真がキレイだから欲しがっているんだよ」と言ってくれた。町の写真屋の出来栄えはイマイチらしい。
くだらない事かも知れないが私は本当に悩んだ。気楽に写真を撮れる地域であれば「プリントをもらえる人はラッキー」という程度で済むのだが、Himba族を撮ったらモデル代というルールが難しくさせたのだ。



仲が良いDjuesu(24歳、無職)とHarambepo(16歳、Himba女性)。



広場の風景。Tusaneka(47歳、農作物栽培)とKambopi。



Mueuhopa、50歳。若い頃から無職で狩をして暮らしていたそうだ。上半身裸かで弓矢をもった若い頃の写真を見せてくれた。



Abirimba、18歳。左目が失明している。

2008/9/7 Ohandjana、15歳


8/31、9/1にグループで撮っていたが、彼女はプリントを貰えていなかった。それで、毎日毎日「一人で撮って」と言っていた。明日の朝にOpuwoの宿まで今日撮った皆の写真を取りに来るように頼み、彼女を撮った。過去2回撮ったときとは別人で随分リラックスして女の子らしい仕草を見せてくれるようになったなあ、と感心した。




2008/9/7 Claudino


8/30に撮ったWambo族16歳の高校生。会うたびにプリントをせがまれ、あしらっていた。
 「他の写真も撮ってほしい。」
 「一人一枚だよ。まったく撮られず写真を手に出来ない人もいるんだからー。もっと賢くなれ。ただ欲しいと言ったってダメだよ。」
 「いや、おれは十分賢い!」
 「本当に賢い奴は自分で賢いなんて言わないよ。」
 「あ、そうか。」
こんなやり取りが挨拶代わりだった。
最後の日も村で見かけたので別れを告げた。
 「プリントしてあげられないけど、友達として一枚撮って良いか?」
 「ああ、いいよ。」
 「お前は今、賢くなったよ。」
そう言って、一枚だけ撮った。この時だけはカッコ良く見えた。
一方、彼の友人でもあり、同じように写真を撮って欲しいと言い続けたMagicは、同じ質問に「写真がもらえないなら、やだよ。」って答えた。色んな奴がいる。