2011/5/13 避難所からの手紙

 前略
 桜の花も風に舞い心地よい季節となってまいりました。
 本日体育館の二階で我が家の孫たちがほほえんでいるのを見つけました。
 とてもうれしくなり筆をとらせていただきました。
 二人は今回の津波で母親を亡くしてしまいました。
 なかなか親の死というものを理解するというのはむずかしいと思いますが、
 この写真に様な素敵な笑顔の大人に成長できるように、見守っていきたいと思います。
 本当に"ステキ"な写真ありがとうございました。
 お礼迄に


1枚の葉書が届いた。
差出人の住所は、「宮城県・・・女川総合体育館内」。避難所暮らしの女性からだ。

先月、歯科医師の先生の検死ボランティアに同行して訪れた避難所である。
カテゴリ「東日本大震災(ボランティア活動)」
その写真は、パンダ着ぐるみで子供を喜ばす先生の活動を撮影したときの写真の一つ。
神奈川の自宅に帰った後、「子供たち本人に届けば・・・」と避難所宛に郵送していた。

名前も分からない子供たちの写真なので、皆が見る掲示板のような所に貼り出されていたのだろう。その写真を差出人である祖母が目にしたようだ。わざわざ、お礼の手紙を頂き、撮影者としてこれほど嬉しいことはない。こちらこそ、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

文中の「孫たち」は、はっきりとは特定できないが、撮った写真は多くないので、見当がつく。(「2011/4/13 女川町(3)」、「2011/4/13 女川町(4)」のうちの1枚)

あらためてその写真を眺めてみる。
本当に無邪気な笑顔だ。そのときは、深く考える余裕もなく子供たちに喜んでもらおうと精一杯、写真を撮った。(実際、歯科医師の先生がパンダ着ぐるみで活動するのを、私はわずかにお手伝いしただけだ。) この子たちに限らず、避難所で出会った子供たちは、近親者を亡くした者も少なくなかっただろう。

この祖母は孫たちの成長を見守っていきたいと綴っている。私は通りすがりのカメラマンに過ぎないが、通りすがりのカメラマンなりに彼女らに関われたのかな、と思う。私が途上国の田舎で撮って配るのも同様のつもりだが、やはり写真はこうあるべきだと思えるのだ。






  
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