2009/7/13 アフガンでNGOとして働く外国人(7)


Faizabadから西へ数kmいった村の幹線道路沿いにて、豆乳を配った。Sunghoさんは、集まった子供たちにハーモニカを吹いて喜ばせていた。






写真左は、旧市街の警察署前での豆乳配布中に出会ったフォトグラファーのBartek Tofelさん(ポーランド人、25歳)。彼はバダクシャン州の奥地、ワハン回廊(パミール高原)への登山・撮影へ向かう途中だそうだ。私がアフガンで出会った唯一の旅行者だ。(彼の写真はこちら









チャダリを被った村の女性たちが通りがかった。Sunghoさんは「顔を見せて!」と一人一人に声をかけ、チャダリに顔を入れて彼女らに親しみを伝えていた。女性同士ならでは接し方である。彼女は、親しくなった女性にチャダリを脱ぐように働きかけてきたのだが、なかなか屋外では脱げないそうだ。












Qurbani Khanさん(42歳)とその子供たち。






ハーモニカや歌を歌って楽しませるSunghoさん。娯楽の少ない子供たちは目を輝かせていた。彼女は常に「愛」を意識して伝えようとしている。












帰り道、Sunghoさんの知人の若者(左から2番目)の家に招かれて茶を頂いた。しばらくすると彼の母親が「出て行け」と文句を言っていると知った。まだまだSunghoさんのことを良く思わない人もいるのだ。彼女は若者に「あなたたち若い世代が頑張ってアフガニスタンを変えなさい」と説いていた。

そのあと、4人で新市街の唯一の洋風レストラン「KFC」で食事をとった。Kabul Faizabad Chikenという名のその店は明らかにケンタッキーを真似たようだ。ハンバーガーやチキンもあったが、体調の悪い私はパイナップルの缶詰だけを頂いた。昨晩、Sunghoさんと2人で行ったレストランでは、NATOの通訳をしているという若者たちと会った。オシャレな洋服に身を包んだ彼らは(決して傲慢さはなく)スマートで自信に満ちた言動で、頼もしく思えた。彼らを見ていると、アフガンの将来を私は決して悲観しない。
そのあと、チャイハナへの恩もあり、Sunghoさんの家から元のチャイハナへ戻って寝た。スタッフたちは「体調は大丈夫か?よく戻ってきた!」と抱きしめてくれた。


Sunghoさんの活動には、とても感銘を受けた。彼女は神を感じる体験をして敬虔なクリスチャン(プロテスタント)になったそうだ。今まで私が出会ったムスリムやクリスチャンなどは、生まれながらに親と同じ宗教を受け入れている人たちばかりであった。(例外は、各宗教を比べた結果、仏教を選んだインドのShamvhu氏。) 彼らに比べて彼女の信念は強烈なものに見えた。
彼女のように超越的なもの(神)への信仰に基づいて(神のために)行動する人間には、迷いが無く、正しい(と思う)ことを真っ直ぐに実践する逞しさがある。日本人的な無宗教である私にとっては、羨ましくさえ思えた。自分や誰かのために(人間のために)ここまで強く生きることは難しいのではないかと思ってしまう。(もちろん、正しいと思っていたことが間違っていれば、大きな過ちも犯す危険もはらんではいる。)

かなり年配である彼女だが、驚くほどエネルギッシュであり心身ともにタフである。彼女は「神が導いてくれた道を進んでいるだけ」「神が守ってくれるから、何が起きても恐れずに前進できる」と明言する。彼女にすればイスラムは男性のための女性差別の宗教である。当然、「キリスト教が唯一真実であり、他の異教徒の人も救ってあげたい(教えてあげたい)」という思いもある。敬虔なムスリムから見れば、彼女らの活動を布教と見なしても不思議ではないだろう。実際に、「夫から抑圧されていた女性には、キリスト教の価値観に目覚める人も少なくない」そうだ。私見だが、日本人のボランティア活動は、日本人の若者育成・体験学習の側面が大きいのに対し、欧米のボランティア活動は宗教的であり、布教の側面が大きいと感じられる。

子供たちがSunghoさんからキャンディをせがむ光景を見ていると、日本の敗戦後の「ギブ・ミー・チョコレート」も同様だったのかと思いを巡らせた。条件は全く違えど、日本は米国の支援で戦後の成長を遂げた。当初は欧米文化の流入を嫌ったお年寄りも居たことだろう。アフガンも将来的にはイスラムが世俗化していくのではないだろうか。もちろん、その過程で失う文化もあるだろう。誤解を恐れずに言えば、アフガンやイラクで行われている戦争は、やはり文明の衝突という側面があるのだと思う。一言でいえば、物質的に豊かな西欧文明がイスラム文明に世俗化を迫り、過激派が抵抗している状況だと私は解釈している。


  
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この記事へのコメント
初めまして。足跡より失礼します。
私の周りにもNGOで活躍している人が何人かいます。(アフガンではないですが)
国の情勢が悪くて、日本で入るニュースは暗い話ばかりですが、この写真を見て、こんなにも純粋で素敵に輝く瞳や笑顔があることにビックリと感激しました。
ブログをリンクしたいのですが、よろしいでしょうか?
Posted by ももくそ at 2010.01.06 19:27 | 編集
>ももくそ さん

嬉しいコメントありがとうございます!
そうですね。日本に入るニュースは暗い事件ばかりですよね。
厳しい条件の中でも人々は喜びを見出せるのでしょう。こうした素敵な人たちに少しでも興味を持ってもらえればと思います。

リンクの方は是非お願いいたします!!
Posted by YokotsukaTomoaki at 2010.01.07 02:55 | 編集
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