2010/4/1 「少年工」への手紙渡し

現地からの報告「旅だより~ 2010/4/1 『少年工』への手紙渡し」の続きです。



ペシャワール郊外、Kohat Rd沿いにある小さな鉄工所はすぐに見つかった。作業員が少なくなったようで、前回唯一カタコト英語が話せたHaj Rehmen君も職場を去っていた。そんな中、「少年工」のZiaullhaq(Ziaelhuq)君(写真右)を見つけることができた。



彼らへの2組の手紙のうち、英語で書かれた1組はSajjad Khanさんにウルドゥ語に訳してもらった。私の印象では、英語を話せる人は10人に1人いるかどうかだ。



今回は最も懸念していたのは言葉の壁であったが、これまた運良く英語を話せる人を見つけられた。隣の鉄工所のオーナーAltaf Khanさんだ(写真左)。彼には「日本からのNGOか?」と間違われたが、去年の話から説明をして理解してもらった。
あらためてZiaullhaq君(写真右から2人目)を連れてきてもらい、写真と手紙を渡した。近所の鉄工所の男たちが集まってきて、少年は照れつつも、目を輝かせて喜んでくれた。今まで手紙をもらったことすら無かったのかもしれない。 手紙に同封してあった折り紙の鶴は評判が良く、膨らませ方を教えると大人たちが夢中になって息を吹き込んでいた。
途中、Naeem君(17歳、写真右)が学校から帰ってきて再会することができた。

■Ziaullhaq(Ziaelhuq)君(12歳)
9、10歳の頃からここで働き、学校へは一切通っていない。週に200Rs(食堂の食事3~4回分の金額)を稼ぐ。彼以外の兄弟(7人)姉妹(1人)はいずれも学校へ行っている。
父はアフガニスタン首都カブールの病院で働く(医者とか専門職ではなく、月収6000Rsしかないそうだ。この額は物乞いでも稼げるくらい最低レベルの収入)。

「将来は自分の店を持ちたい」と師匠から仕事を学ぶ毎日だ。鉄工所(というか小さな町工場)は去年より従業員が減り、この日は彼を含め3、4人しか見られなかった。彼も積極的に仕事を任され、私が写真を撮ることもあり、特に張り切って働いていた。

■Naeem君(17歳)
去年、13、14歳くらいだと思っていたが、今回会うと大人っぽくなっていた。実はこの鉄工所の店主の長男だそうで、将来は店を継ぐようだ。学校にも通っていて、私が訪問中にちょうど下校してきて再会できた。わずかだがカタコトで英語もわかる。



手紙の返事を書いているZiaullhaq君の手だ。12歳の子供の手にはとても見えない。立派な労働者の手である。



作業員が減った分、Ziaullhaq君も重要な戦力として働いている。去年よりも随分と逞しく見える。



溶接をするNaeem君とZiaullhaq君。



近所の店の少年Chara君(8歳)。



食事をするZiael君と師匠のAzeem Khanさん(写真左)ら。



Naeem君とZiaullhaq君からの返事の手紙とペン。(日本の手紙の送り手の「小さな子供に」とペンを2本くれた。)

手紙は何とか英語で書いてくれた。下半分を書いたNaeem君は「My teacher is Azeem Khan」と、自分の父親を「teacher」(師匠、先生)と呼んでいる。

パキスタンでは学校に行かずに働く子供がとても多い。(それ以上に、学校に通いながら午後から働く場合が多いようだ。) 色々と話を聞くと、学校に行かない理由は貧困だけではないようだ。確かにゴミ拾いや物売りをする子供たちは、家計を支えるために働かざるを得ない場合が多い。一方、靴や服飾、木工などいわゆる職人の元で働く少年たちは少し異なる。「若いうちから手に職をつけないと、将来仕事がない」ので働かせているのだと言う。パキスタンは治安だけでなく経済も冷え込んでいて、大卒者すら仕事が少ない。(イギリス等への留学・求職を望む学生が実に多かった。)
学校へ行かないことは、彼らの可能性・選択肢を狭めていることは確かだろう。そうして大人になった職人たちはアラビア語のコーランを読むこともできないし、もちろん英語なんて話せない。しかし、一人前になれば公務員などよりずっと稼げる人が多い。そういう社会なのである。
だから、「学校に行っていない」=「かわいそう」だとは思わない。働く子供たちの方が礼儀正しく、躾けられているので好感を持っている。そして何より、彼らはとても生き生きとしていて、私には輝いて見えて仕方がないのである。

次回があるとすれば、「少年工」たちが一人前の職人になり、彼らの弟子を指導する姿を見てみたいと思う。

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